スーパーセットは本当に効果的な筋トレなのか?

トレーニング論

スーパーセットは人気の筋トレの方法の一つです。

もちろん効果的な筋トレ方法の一つですが、

やり方やスーパーセットを行うタイミングを間違えてしまうと筋トレの効果や質は低下してしまいます。

今回はスーパーセットに種類とやり方について、まず理解して、どのような人にスーパーセットは向いているか、スーパーセットのメリットとデメリットについて話していきます。

スーパーセットとは?

まず最初にスーパーセットについて正しく理解しましょう。

スーパーセットとは、異なった2種類のエクササイズを休憩をせずに交互に行うトレーニングのことです。

例を上げると、

アームカール(上腕二頭筋のトレーニング)を目標の回数を行い、そのセットが終わるとすぐインターバルの休憩を入れずにトライセプスディップス(三頭筋のトレーニング)を目標の回数行います。

3タイプのスーパーセット

スーパーセットには3タイプのやり方があります。

一つ一つの方法とメリットについて説明します

スーパーセット(Antagonist superset)

このスーパーセットの定義は、鍛えたい筋肉(主動筋)とその反対側についている筋肉(拮抗筋)を狙ってトレーニングする方法です。

例えば、

アームカールとトライセプスディップス
上腕二頭筋と上腕三頭筋

ベンチプレスとベントオーバーローイング
大胸筋と広背筋

レッグエクステンションとレッグカール
大腿四頭筋とハムストリングス

このように表と裏にある筋肉を交互にトレーニングします。

スーパーセット(Antagonist superset)のメリット

このスーパーセットは相反神経反射という反射が身体で起こるため筋トレを行いながらも、相反神経反射の効果で反対側の筋肉(拮抗筋)を効率的に回復させることができます。

相反神経反射とは筋肉(主動筋)が収縮すると、その反対側の筋肉(拮抗筋)がリラックスするという働き。

このスーパーセットの方法を行うことで休憩時間のインターバルが短くなるため、短い時間で筋トレができます。

コンパウンドセット(Agonist superset)

同じマッスルグループの筋肉を連続してトレーニングを行うスーパーセットの方法です。

例えば、

ベンチプレスをした後に、ダンベルフライを行う

デッドリフトをした後に、ベントオーバーローイングを行う

スクワットをした後に、レッグエクステンションを行う

コンパウンドセット(Agonist superset)のメリット

コンパウンドセットは、同じ筋肉を疲れた状態からさらに筋肉を追い込むことできるため血流量を促進してパンプアップできます。

短時間で一つのマッスルグループをオールアウトすることができる。

 

注意点
コンパウンドセットを行うときは二関節運動トレーニングから先に行ってください。そのあとに、短関節運動のトレーニングを行ってください二関節運動とはスクワット、ベンチプレス、デッドリフトのような二つの関節を曲げたり伸ばしたりする運動です。
短関節運動とはアールカール、レッグエクステンションなど一つの関節のみを動かす運動のことです。
筋肉が疲労している状態で二関節運動のトレーニングしてしまうとフォームが大きく崩れるので怪我のリスクが高まります。

異なったマッスルグループのスーパーセット

このスーパーセットは

胸の筋肉と脚の筋肉

肩の筋肉と腹筋の筋肉

など関連性のない、別々の筋肉をトレーニングする方法です

異なったマッスルグループのスーパーセットのメリット

このスーパーセットのメリットは短時間で二つのマッスルグループをトレーニングできることです。

また全く違う筋肉なので大きな疲れがなくスーパーセットを行うことができます。

スーパーセットのメリット

スーパーセットのメリットは

  • トレーニングの時間効率があがる。
  • インターバルが短くなるため、心拍数があがり、心肺機能の向上する。
  • 普通の筋トレよりもスーパーセットは脂肪燃焼効果があるため、普通の筋トレに比べダイエットの効果が期待できる。

スーパーセットはトレーニングの時間が限られている人におすすめの筋トレ方法です。

インターバルを短くすることができて、さらにいろんな筋肉を短時間で鍛えることができます。

脂肪燃焼がさらに期待できる筋トレとしてHIITがあります。

この筋トレは様々な筋トレをかわりがわりに休憩なしで行うトレーニングで脂肪燃焼と筋肥大を同時に狙うことができるトレーニングです。

スーパーセットをたくさん組み合わせるイメージです。

スーパーセットのデメリット←本題

前置きがかなり長くなりましたが、今回の本題です。

 

スーパーセットは本当に効果的なトレーニングなのか?

についてです。

スーパーセットは本格的に筋肥大をしたい人または筋力アップやパワーの強化を目的としている人にはあまりおすすめできないトレーニングです。

筋肥大や筋力、パワーについてよくわからない人はまずこちらから読むことをおすすめします。

 

なぜこれらのトレーニングのためにスーパーセットが向いていないか説明します。

筋肥大トレーニングとスーパーセット

最近の研究結果では、

筋肥大のためにはトータルボリュームの合計値を大きくすること

 

がもっとも重要だと言われています。

トータルボリュームとは
負荷×回数×セット数=トータルボリュームです。
例を上げると
ベンチプレスを80キロを10レップスを5セット
80kg×10回×5set
トータルボリューム=4,000kgになります。

スーパーセットを行うと短時間で筋肉を追い込むことはできるが、筋肉がかなり疲労するため、扱える重量が低くなるためトータルボリュームの値も低くなってしまう。

また、最近の研究では筋肥大トレーニングためには最低でも1分30秒から2分のインターバルを必要とし、また他の研究ではインターバルは長いほど良いとされている。

一昔前までは、筋肥大トレーニングは短いインターバル(1分以内)で筋肉をオールアウトさせることが重要視されていたが、現在は研究により筋肥大にはトータルボリュームがもっとも重要だとわかっている。

このように筋肥大トレーニングは、しっかりとインターバルをとって1セットごとに万全な状態をつくりトータルボリュームをできるだけ大きくすることが重要だということがわかる。

筋力、パワートレーニングとスーパーセット

筋力トレーニングではできるだけ重い重量を使って、筋肉だけはなく神経系も刺激することで筋力を増加することができる。

そのためスーパーセットと筋力トレーニングを同時に行うと、疲労により重い重量を扱うことが困難となる。

また筋力トレーニングは重い重量を扱うため、怪我のリスクも大きい。

疲労している状態で重い重量を扱うとフォームが大きくくずれてしますため、さらに怪我のリスクが高くなるためにとても危険である。

そのため、筋肥大トレーニングはしっかりセットごとにインターバルをとり、1セットごと集中を高める必要がある。

パワートレーニングとスーパーセット

パワートレーニングは中低程度の負荷を使って、力を爆発的に発揮できるようになるトレーニングである。

そのため、パワートレーニングは筋力トレーニングとは違い、重い負荷は使わないが、力を瞬間的に出すため、集中がかなり必要なトレーニングのため、疲労した状態で行うと効果的にトレーニングが行えなくなってしまう。

スーパーセットには効果がないのか?

スーパーセットについてかなり否定的に書きましたが、スーパーセットにはメリットも多くあるため、正しく使えばしっかりと効果を得ることができます。

筋肥大にはトータルボリュームが大切だと言いましたが、トータルボリュームが少し下がったからといって、大きくトレーニング効果が下がるわけではありません。

もし本格的(ボディビルダーやフィジーカーみたいに)に筋トレをする人、もしくは最大限に筋肥大トレーニングの効果を得たい人は筋トレの時間をしっかり確保して1セットごと疲労が少ない状態で行うことでトータルボリュームを増やすことに専念した方がいいでしょう。

しかし、趣味で行う筋トレやかっこいい身体づくりが目標の人は、スーパーセットを行っても十分筋肉をつけることができます。

上でも説明しましたが、スーパーセットを行うと、トレーニングの時間短縮にもなりますし、一回で多くの筋肉を鍛えることができます

さらには心拍機能上昇と脂肪燃焼とその他の多くのメリットを受けることができます。

しかしスーパーセットは、疲労が多く溜まる筋トレなため、オーバートレーニング(筋トレのし過ぎ)にならないように気をつける必要があります。

また、筋力トレーニングやパワートレーニングは集中と一回のセットごとに最大限の力を発揮する必要があるため、スーパーセットと合わせて行うことは、トレーニング効率が下がり、怪我のリスクも高まるため、筋力やパワーのためにスーパーセットを行うことは向いていません。

まとめ

スーパーセットはトレーニングの時間短縮ができ、短時間で多くのマッスルグループの筋トレができるため、トレーニング時間があまり多く確保できない人や、短時間で最大限の効果を得たい人におすすめのトレーニング方法です。

しかし、筋トレ時間を長くとることが可能な人、また筋トレ効果を最大限に得たい人はスーパーセットを避けて、トータルボリュームを上げることが大切です。

自分の目的に合わせて、スーパーセットを行ってみてください。

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