今回は解剖学と生理学に基づいてプライオメトリクストレーニングについて分かりやすく解説します。
スポーツパフォーマンスの向上のために欠かせないのがパワートレーニング。
パワーが向上するとジャンプ力が向上したり、足が速くなったり、切り返しが速くなるなど、力を爆発的に発揮できるようになる。
パワーを向上させるにはプライオメトリクストレーニングが最も最適である。
しかしプライオメトリクストレーニングはとても難しい。
今回はプライオメトリクス運動に理解することで、正しくプライオメトリクストレーニングを行えるようになってもらいたい。
まず瞬発力(パワー)について基本的なことを知りたい方はこちらをチェック!
プライオメトリクス運動とは
プライオメトリクス運動とはStretch Shortening Cycle(SSC) によって生れる弾性エネルギーを利用し、力強く、素早い力を発揮する運動になります。
これだけでは何を言ってるか全くわかりませんね。
まずは簡単にジャンプを例に上げてプライオメトリクス運動について説明します。
質問です!イメージしてください!
あなたは高くジャンプしようとしたときに一番最初に何をしましたか?
99.9%の人が飛ぶ前に
素早くしゃがみ込んだと思います。
逆にしゃがみこまないでジャンプしてみてください。
全然飛べなかったのではないでしょうか?
Stretch Shortening cycle とはまさにジャンプ動作のしゃがみ込むときの動作の瞬間です。
ジャンプの前のしゃがみ込む動作のような力をため込むローディングの動作の瞬間に、どれだけ素早くパワーを溜めこんで次の動作でその力を爆発的に発揮できるかが非常に重要なポイントとなります。
また力とスピードの積によってパワーは決まるため、
素早く、大きい力を作り出せるプライオメトリクス運動はパワートレーニングに最適です。
科学的に考えたプライオメトリクス運動
プライオメトリクス運動について上の説明でざっくり分かったと思います。
次に科学的にプライオメトリクス運動では身体がどのように力を生み出しているかについて解説する。
プライオメトリクス運動で力を生み出す要素は主に二つである。
- 力学的なプライオメトリクス運動
- 神経学的なプライオメトリクス運動
力学的プライオメトリクス運動
力学的プライオメトリクス運動では、
筋肉が急激に引き伸ばせれることによって、筋腱に弾性エネルギーが溜め込まれる。
溜め込まれた弾性エネルギーは、筋肉を収縮させて力を発揮するときに、同時に発揮されるため、弾性エネルギーと筋収縮の力が合わさり大きな力を発揮することができる。
簡単に説明すると、弾性エネルギーとは
ゴムが伸びている状態から、そのゴムが元の状態に戻ろうとするときに生まれるエネルギーである。
しかし、ゴムと筋肉とで大きく違う点がある。
筋肉には瞬間的にしか弾性エネルギーが溜めれない。
ゴムは伸ばしていれば、常に元に戻ろうとするエネルギーが働いているが、
筋肉での弾性エネルギーは、ゆっくり引き延ばされた場合は弾性エネルギーは生まれず、もしくは急激に伸ばされたとしてもすぐに次の動作に移らなければ弾性エネルギーは失われてしまう。
ジャンプで例を上げます。
しゃがんだ状態から反動を使わずにジャンプしてみてください。
脚の前の方の筋肉の大腿四頭筋は伸びている状態です。しかし全然飛べないと思います。
次にゆっくり3秒くらいかけてしゃがんでからすぐにジャンプ動作に移ってみてください。
また全然飛べないと思います。
大腿四頭筋はゆっくりながらも伸びています。しかしゆっくり筋肉が引き延ばされているため、弾性エネルギーは生まれない状態です。
次に素早くしゃがみます。しかし、しゃがんだ状態で一秒止まってから飛んでみてください。
これも全然飛べないのと思います。
このときしゃがんだ瞬間は弾性エネルギーは溜めこまれています。しかし止まっている間にそのエネルギーは失われている状態です。
次に勢いよくしゃがんですぐに素早くジャンプしてみてください。
この時に一番高く飛べたはずです。
このように素早く弾性エネルギーをローディングして、素早く次の動作に移ることによって弾性エネルギーを利用してより大きな力生み出すことができます。
神経学なプライオメトリクス運動
神経学的プライオメトリクス運動では、
筋肉が急激に引き延ばされたときに筋肉内にある筋紡錘が刺激されることによって、筋肉が反応し伸張反射が起こります。
伸張反射とは
筋肉が急激に引き延ばされたときに、筋肉がちぎれてしまわないように身体が無意識的に反応して(脊髄反射)筋肉が収縮する反応のことです。
脊髄反射とは、熱いものを触ったときに手を引っ込めるなどのような無意識に身体が起こす反応のことです。
つまり、ジャンプするときに素早くしゃがむことで筋肉が引き延ばされ、伸張反射がおこり、筋肉を収縮させるため、そのエネルギー利用してをさらに高くジャンプすることができます。
急激に筋肉が引き延ばされない限りこの伸張反射は起きないため、神経学的プライオメトリクス運動も力学的プライオメトリクス運動と同様に素早く筋肉が引き延ばされて、次の動作に移ることが大切です。
プライオメトリクストレーニングとは
プライオメトリクストレーニングとは、プライオメトリクス運動の理論を用いて、効率よくパワー発揮できる動きつくるためのトレーニングです。
今回はジャンプで例を上げましたが、プライオメトリクス運動は全身でおきるため、上半身のトレーニングも可能です。
トレーニングとしてはボックスジャンプ、メディシンボール投げなどが上げられる。
ジャンプの向上のためのプライオメトリクストレーニングの動画です。
英語の動画なので英語が苦手な方は12:05~あたりから動画見てみてください。
動画を見てもわかるように、素早くローディングをして爆発的な力を生み出しています。
これがプライオメトリクストレーニングです。
プライオメトリクストレーニングのトレーニングの詳しく方法や注意点については次回の記事で説明したいと思います。
まとめ
今回はプライオメトリクス運動について科学的に説明しました。
プライオメトリクストレーニングはかなり効果の高い運動ですが、理論を理解しなければ間違った方法でトレーニングをすることにもなります。
正しくプライオメトリクストレーニングを理解して、効率よくパフォーマンスを上げましょう。
今回の記事はこちらを参考にしています。

東京(主に渋谷、中目黒、恵比寿、代官山)でパーソナルトレーナーをとして活動中のKenshiroです!!!
JASP-アスレティックトレーナー
鍼灸師
BESJピラティストレーナー
筋トレ歴10年。筋トレ、栄養、健康、アスリート向けの情報など発信しています!
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