ピリオダイゼーションを理解することで、トレーニング効率を上げ、さらに試合でのパフォーマンスの向上にもつなげることができる。
アスリートにとって筋トレは身体作りとパフォーマンスを向上させるために欠かせない。
アスリートはボディビルダーとは違うため、筋トレで筋肉量を増やすだけではなく、その筋肉をパフォーマンスに繋げなければ意味がない。
今回はピリオダイゼーションの重要性と、ピリオダイゼーションをどのように行うかを説明します。
ピリオダイゼーションとは?
最初にピリオダイゼーションとは何かを説明します。
ピリオダイゼーションとは日本語で期分けと言われ、
大会やシーズンにベストパフォーマンスの状態に臨むために、年間のトレーニングをいくつかの計画に分けて実施することをいいます。
ピリオダイゼーションを実施せずに、同じ強度、同じ回数、同じ種類のトレーニングを行い続ければ、トレーニングを始めた初期の段階は体力的にも能力的にも向上が見られますが、一定の段階を過ぎるとプラトー(停滞期)に達してしまいトレーニングの効果が得られなくなる。
さらには同じトレーニングをし続けることによって身体が疲弊し、最後にはオーバートレーニングにつながる可能性がある。
オーバートレーニングになってしまうと、精神的、身体的、免疫学的にパフォーマンスが低下してしまう。
そのためピリオダイゼーションを用いることで
トレーニング強度やトレーニングの種類を変えて停滞期を超えることができたり
大会やシーズンに身体をピークの状態にもっていったり、
オーバートレーニングにならにように調整したりと
身体を作りながらも大会やシーズンにベストな状態で望めることができます。
ピリオダイゼーションを使ったトレーニング方法
効率よくトレーニングの成果を得るためには段階的なステップを踏む必要があります。
パフォーマンスに繋がるレジスタンストレーニング(筋トレ)はどのようにすればいいかを説明します。
準備期
まず最初に基礎体力と身体作りを目標としたレジスタンストレーニングを行います。
準備期間を通して、筋肉量を増やして、基礎体力を増加させることはこの次に行う、筋力トレーニングとパワートレーニングのためにとても大切な基礎になる。
この準備期間にどれだけ筋肉量と基礎体力を増すかによって、今後どれだけ筋力とパワーが増えるかに関係する。
また、初めてレジスタンストレーニングを始める人はこの期間に正しいフォームを身につけることでトレーニングでの怪我のリスクを大幅に下げることができる。
準備期のレジスタンストレーニング
準備期のトレーニングは筋肥大トレーニングが中心となります。
筋肥大トレーニングの方法は
- 負荷1RMの65%~85%の重さ
- 回数8~12レップス
- トレーニング間のインターバルは60~90秒
- セット数4~8
となります。
筋肥大が効果が出るまで12週間かかると言われています。
そのため最低3か月を目安に筋肥大トレーニングを行ってください。
また中程度の負荷で総レップ数(回数×セット数)が多くなるためこの時期が一番トレーニングボリュームが大きくなるためもっとも身体に負荷がかかる時期でもあります。
そのため身体に疲労が溜まりやすいため、試合の近い時期に筋肥大トレーニングを行うことは試合でのパフォーマンス低下にも繋がります。
レジスタンストレーニングにはオーバーロードの原則というものがあります。
筋肉は同じ負荷で筋トレを続けているとその負荷に慣れてしまう。
もし負荷に慣れてきたと感じたなら負荷を少しずつ増やし筋肉に新しい負荷を与えることが大切である。
その結果、筋肉をさらに刺激することができ、さらに筋肉を成長をさせることができる。
筋肥大トレーニングの方法については詳しくはこちらから!
筋力・パワートレーニング
準備期のトレーニング向上させた基礎体力と筋肉量をパフォーマンスとして生かすために、筋量の最大出力を最大のスピードで発揮できるようになるトレーニング行う段階です。
筋力とは、筋肉が発揮できる力のことです。
レジスタンストレーニングでの筋力トレーニングの最大の目標は1RMを向上することになります。
筋力トレーニングの方法
- 負荷1RMの85%以上の重さ
- 回数1~5回
- トレーニング間のインターバルは2分~5分セット数
- 3~5セット
となります。
しかし筋力だけを鍛えるのはアスリートには不十分です。もし筋力が大きくても、ゆっくりな動きならスポーツの場面では役に立ちません。
そこでその筋力を生かすためにもパワートレーニングが必要です。
パワーとは
パワー(瞬発力)とは短時間で爆発的は力を発揮する能力のことです。
パワーが向上するということは瞬発力が向上するということなので、素早く力強い動きができるようになります。
パワー=力×速度という公式からなるように
パワーは、発揮される力とさらにどれだけその力を早く動かせるかが重要になります。
パワートレーニングの方法
- 負荷1RMの30%~60%の重さ
- 回数1~5回
- トレーニング間のインターバルは2分~5分
- セット数3~5
となります。
パワートレーニングについてはこちらで詳しく!
筋力・パワートレーニングはトレーニングの強度が上がるが、レップ数やセット数が減るため、トレーニングの総ボリュームは少なくなる。
そのため筋肉への負担が少なくなるため、試合に向けて身体の疲労は少なくなるが、パフォーマンスの向上が臨める。
試合期
試合期でのレジスタンストレーニングは、準備期で手に入れたパフォーマンスを低下しないようにトレーニングを行います。
この時期は、競技力そのものや戦術面など試合に直結するトレーニングを中心に行われます。
しかし獲得したパフォーマンスを失わないためにも、高い強度や負荷のトレーニング行いますが、トレーニングの量を減らすことで、身体には疲労が残らずパフォーマンスを維持することができます。
テーパリング
大事な試合にピークも持っていくためにテーパリングという方法があります。
テーパリングとは、トレーニングを極端に少なくし、大事な試合の前に超回復期間も設けることで、身体や中枢神経系、または精神的にも疲労を回復させることができ、試合で最大のパフォーマンスを発揮することができます。
しかし、テーパリングは最長でも2週間程度に留める必要があり、それ以上の期間を超えると逆にパフォーマンスが低下してしまう。
移行期
移行期とは、試合期と次の新しいサイクルを結ぶ期間のことである。
長期のレジスタンストレーニングと試合により身体的にも精神的にも大きな疲労が蓄積されている。
そのために一定期間の休養期間を設ける必要がある。
しかし、完全休養はパフォーマンスを著しく低下させるリスクもあるために、専門外の競技を行ったり、気分転換程度の軽いトレーニングを行う積極的休養が望ましい。
ピリオダイゼーションの計画の立て方
ピリオダイゼーションは
- マクロサイクル
- メゾサイクル
- ミクロサイクル
3つのサイクルに分けることができます。
マクロサイクル
トレーニングの開始から最終目標までの期間をマクロサイクルといいます。
基本1年間のトレーニング計画を立てます。
人によってはオリンピックの周期の4年間や高校三年間をサイクルとして考えたり、もしくは大きい大会ごとに、また個人によって数か月から半年をサイクルとして考えます。
まず最初に自分の目標となる大会や基準を決めて、その目標までどれだけの期間があるかを把握することが大切です。
一年後の大会を目標とした場合、マクロサイクルは一年となります。
メゾサイクル
メゾサイクルはマクロサイクルを分割したサイクルである。
メゾサイクルは数週間から数か月の期間となります。
個人として獲得したい目的によってサイクル数は違います。
上で説明した筋肥大トレーニングの期間などを1メゾサイクルです。
筋肥大トレーニング 3か月
筋力・パワートレーニング 2か月
試合期 3週間
移行期 1週間
半年のマクロサイクルの場合、このようなメゾサイクルとして分割されます。
ミクロサイクル
ミクロサイクルはメゾサイクルもさらに小さく分割したものです。
1週間ごとや数週間のトレーニングサイクルになります。
1週間にどの頻度で行うか、どのようなトレーニング行うかを決定します。
まとめ
このようにピリオダイゼーションの行い、計画的にトレーニングを行うことでトレーニング効果を高めつつも、試合やシーズンにピークパフォーマンスを持っていくことができます。

東京(主に渋谷、中目黒、恵比寿、代官山)でパーソナルトレーナーをとして活動中のKenshiroです!!!
JASP-アスレティックトレーナー
鍼灸師
BESJピラティストレーナー
筋トレ歴10年。筋トレ、栄養、健康、アスリート向けの情報など発信しています!
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